アラキドン酸で神経細胞を生成する
私たちは何かをするときに、障害を持っている場合は別として、「よし、右手を動かすぞ」とか、「よしものを噛むぞ」と意識することはありません。
歩くのも食べるのも話をするのも、意識せず自然に行っています。
この行動をつかさどっているのが脳です。
人間の脳は素晴らしい機能と複雑な回路を持っていて、計り知れないほどの能力を発揮してくれます。
何も考えずに行動できるのは、神経回路がしっかりしているからであり、その神経回路を作り出す神経細胞が正常であるからこそです。
この世に誕生し、三歳くらいになるまでに大人と同じ重さの脳となり、神経回路もしっかり形成されます。
神経細胞は電気信号を発することで様々な情報を得て、情報を発信しています。
神経細胞は複雑に分岐し、そこに樹状突起というものを持っています。
さらには樹状突起から伸びた繊維がつながり、神経回路を形成しているのです。
動く際にはこの神経回路がスピーディに感知し、何も考えることなく、歩く、走る、食べる、話をするなどの行動が出来るのです。
非常に高度な脳の機能は、まさしくこの脳の神経細胞が生み出していると言えます。
この神経細胞に係るのがアラキドン酸です。
アラキドン酸は、神経新生を促進します。
神経新生を促進する成分というとドコサヘキサエン酸がありますが、このDHAと共に、神経新生を促すのです。
神経新生というのは、脳のネットワーク構築を行うため、神経幹細胞が分裂し増殖し、ニューロンなどの物質に分化する過程を言うのですが、この構築が行われないと、神経は新生されません。
神経新生によって脳は発達しますので、脳が未発達な状態で生まれる赤ちゃんが、生まれてからしばらく続く劇的な脳の発達の際には、アラキドン酸がなくてはならない物質といわれるのです。
神経細胞があるから私たちはなにも苦労なく行動ができます。
加齢とともにアラキドン酸が少なくなっていき、また食品からの摂取が少なくなると、神経細胞も老化していきます。
元気よく健康に体の動きに支障なく生きていくためにも、アラキドン酸は、重要な成分です。
|