アラキドン酸は植物に含まれない
アラキドン酸は特に乳児や胎児に必要不可欠な成分として知られていましたが、大人にとっても記憶や学習能力向上に役立つ成分という事が近年の研究によって明らかになってきています。
このアラキドン酸は、ビタミンFとも呼ばれていて、肉類や魚介類、卵、母乳などに含まれていますが、植物からの摂取はほとんど望めない成分です。
n-6系不飽和脂肪酸の一種であるアラキドン酸は、リノール酸からγリノレン酸へ、そして、ジ・ホモγ-リノレン酸となって生合成されるもので、脳細胞膜を構成する重要な成分の一つです。
大人になってからはほとんど関係性のない成分と思われてきましたが、脳の働きにとって重要な役割を果たすということが明らかになり、この体内合成が注目されました。
食品から取り込み体内合成する事が出来るのですが、乳幼児や高齢者の場合、代謝酵素が良く働かないため、アラキドン酸の合成が少ないといわれています。
そのため、乳児は母乳から、大人は肉類などこの成分が多く含まれる食品からの摂取が望まれるのです。
乳児の場合、食品を摂取するようになるまでは母乳が栄養の全てです。
そのため、母乳からアラキドン酸を取り込むことが必須となります。
母乳ではなくミルクを利用する場合を考慮し、この成分が配合されたミルクも多くなってきています。
植物から取り込むことがほとんどできないという事は、肉類などの摂取が重要となりますが、高齢になればなるほど、肉類などの摂取が少なくなり、生活習慣病予防、改善のため、野菜をたくさん接取するようにと医療機関から指導を受けることも少なくありません。
ただ、この生活習慣病予防や改善に関しては、40代、50代などの中高年層への働きかけであり、60代、70代ともなれば痴呆症予防という事を考慮し、アラキドン酸の豊富な食品類を積極的に摂取するという事が大切となるのです。
栄養バランスの悪い食事をする現代人が野菜不足を懸念されているのは現実ですが、肉類などを除外するのではなく、脳の働きなども考慮したバランスのいい食事が必要となります。
植物にはないアラキドン酸を食品から摂取しにくい場合は、サプリメントなどを利用して体内に摂取していくことも考えましょう。
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